160930Master of Life
69歳で惜しまれながらも引退をした会社の大先輩。
その素晴らしい経歴にも限らず、驕ったところがなく、下からは慕われ、上からも尊敬をされていた。
そして、仕事のみならず、プライベートではギターを弾き、日曜大工を好み、キャンプやバーベキューを愛するというマルチな方。
MASTERキートンという漫画の中に、
「Master of Life(人生の達人)」
という表現が出て来るが、本当にそんな言葉が似合う人。
僕が北京への海外赴任時を打診された時に、
「それは是非挑戦した方がいい。
断れば何も残らない。
やれば必ず得るものはある」
と背中を押してくれた。
また海外駐在員は
「無事是名馬」
とアドバイスをもらった。
海外駐在など大きな役目を任されると、人は往々にして無理をしてしまうもの。
しかし、一番大事なのはコツコツとやることをやり、無事に日本に帰任をすること。
一番良くないのは、無理をして大火傷をして会社に大迷惑をかけること。
これは、すぐに無茶をやりかしそうな、僕の行動を見越しての助言だったのかもしれない。
そして、その方の送別会。
部署内外から人が集まり賑やかに。
勢いで3次会のカラオケまでなだれ込み。
69歳を夜中の2時まで、連れ回していいのか?!とも思いながらも、その大先輩はラストに森山直太朗の『さくら』を熱唱し、みんなの歓声を受けていた。
「44年のサラリーマン人生をこの会社で終えられて本当に良かった」
と言っていた。
44年というと、僕などまだ人生でもそこまで到達していない。
仕事とは短距離走ではなく長距離マラソンという。
どんな状況になっても焦らずに。
駐在員だけでなく、サラリーマン人生も
「無事是名馬」
そんな気持ちで行くべきだろう。
そして引退の時は。
この大先輩同様、気持ち良く。良い仲間に囲まれて引退をしたい。
もちろん。
夜中に締めの1曲を歌って。