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140630中国とインターネット

ご存知の方も多いとは思うが、中国のインターネットは非常に閉鎖的だ。

大体世界で流行のサイトはアクセス禁止サイトに指定されていて閲覧が不可能。その代わりに、それを代替えする国内サイトが存在している。

例えばFacebookに対する人民網、Twitterに対する微博、YouTubeに対するYouKu。

なぜこれらのサイトが中国で禁止をされているかと言えば、ひとえに中国共産党に不利な情報が掲載されやすいという理由から。または、FacebookやTwitterから国の正常化を望む声が高まり、政府転覆活動に発展するのを防ぐためである。

ではなぜ、代替とも言えるサイトは許可されているのかと言えば、これらのサイトは共産党の監視付きだからである。最近では中国産のSNSへの登録は電話番号など個人情報の登録が必須となり、過激な党への批判がされた場合には、即座にブロック、書き込みを行った人間を国家転覆罪で捕まえることができる。

具体的には浙江省温州で起こった高速鉄道転覆事故。この時に党は事件の隠蔽を図ろうと事故のあった車両を地中に埋めてしまおうという仰天対策を取ったのだが、現場にいた、または実際に乗車していた人達が写真を取り、それを微博にアップしたことから、あっと言う間に情報が広がり、党が方針を変えたということがあった(この事件の後に微博は個人情報の登録が義務づけられた)。
古くから情報統制が厳しくされてきた中国だが、インターネットという技術が発達し、次々に生み出される新しいサービスにより、この統制も機能しなくなってきている。

特に微博による情報の拡散。VPN(Virtual Private Network)という専用回線をつなぐことでTwitterを利用したり、中国版LINEと呼ばれている微信を使うことで、かなり簡単に情報が共有される状況にあり、もはや完璧な情報統制は不可能になってきている(なお、LINEは中国も利用可能だが、中国でダウンロードしたLINEはいわゆる敏感ワードを入れて発信するとブロックされるという素晴らしい機能が搭載されている)。

ビジネスにおいては、アメリカが作り出した特許という、技術を独り占めする仕組みから、自分たちの技術を広く公開することで、他社と相互補完をして付加価値を生み出すという方針に変わってきている。また、個人の生活においても、車や家を数人でシェアするハウスシェアリングやカーシェアリングに流行の兆しがある。
こんな、いわゆるシェアをすることが当たり前の世界において、未だに情報操作を続ける組織に明るい未来があるとは思えない。いつの日か、誰かが立ち上がり、この状況は是正されるだろう。
「上有政策下有対策:上に(政府に)政策あれば下に(人民に)対策あり」
中国にはこんな格言があるのだから。

 

2017年の追記:

北京にいたときに書いた文章。シェアすることが当たり前の世界…と中国外のことを例に書いたのですが、シェアリングエコノミーは中国が盛んになっているという現在。

むしろ最近は、「下に新事業あれば上に対策あり」でうまく新しいビジネスが育っている気もします。