140615映画メモ3
つづき
あの頃ペニーレインと(Almost Famous)
なぜ「あの頃」という単語に多くの人は反応し、共感を覚えるのだろうか。
チープな表現で言えば、少年から大人になる階段を登る途中の物語。
その過程で、誰もが経験をする、胸が苦しくなるような、その苦しさから解放されようともがき苦しみ、抜け出したと油断した途端にまた戻ってしまうあの気持ち。
あとから振り返れば、そんなこともあったよね、良い思い出だよね。
そんな言葉で語り合える「あの頃」。
いくつになっても僕らは「あの頃」を語る物語から卒業ができない。
大人になってもいくつになっても、DNAの中に「あの頃」が埋め込まれているような。
戻りたいあの日があるとして、戻ることが実現したら戻るのか?そう問われたら、戻るとは答えないかもしれない。
きっとタイムマシンには乗らない。
「あの頃」はいま思うことで「あの頃」となったあの瞬間が輝いている。
戻った瞬間に「あの頃」は「今」になりそれは代わり映えのしない時間になってしまうかもしれない。
主人公が追いかけたペニーレインとペニーレインが追いかけた恋。
誰だって心の隅にあるはず。
同じような「あの頃」と、そこにいるペニーレインの姿が。
パシフィックリム(Pacific Rim)
どこかで見たことのあるようなシーンの組み合わせみたいな感じの映画だけど面白い。
どこが面白かったのって?
何かゴチャゴチャしてワーワーやってるところが無意味に面白い。
そう。映画なんて右から左に通り抜ける過程で
「よう分からんけど、なんか面白かったな」
という感情が残ればいいのよ。
あとは映画館のシートの上に置き忘れてもねん。
そういえば、リアリティを追求した結果(?)か、動きはあまり派手ではなかったか。
ミリオンダラーベイビー(Million Doller Babby)
僕は神様を信じてない…と、いきなり映画の感想にそんな大それた発言も如何なるものかと思うのだが、とりあえずそれは事実だ。
世の中は苦しみと悲しみに溢れていて、その多くは不条理とも言える、どうして?と言いたくなるような内容だと思ってる。
スピード出し過ぎて交通事故で自分だけお陀仏とかは、まったく可哀想だとは欠片も思わない。
警察に追いかけられた末に事故ってお陀仏も微塵も同情の余地もない。警察を責めるアホな風潮こそクレイジーだろう。
しかし、そんなスピード狂のアホの巻き添いになった人は心底可哀想だと思う。
だが、残念ことに世界はそんな話で溢れてる。そして、そんな悲しみを得る運命になった人たちに知ったような顔で説く奴らがいる。
「神はその人が乗り越えることのできる試練しか与えない」と。
何とも無責任な発言だ。乗り越えられなかったらどうすんだ、と思ってしまう。
まあ、そこは本題ではない。
つまり世界は悲しみで溢れているというのに、映画まで悲しくする必要はないだろうと、イーストウッドには言いたい。
まあ、要はそれだけだ。
面白くも感動もしない。
唯一。モーガン・フリーマンは相変わらずいい役をするな!ってのは思った。
ま、観たタイミング悪かったな。